石田衣良「シューカツ」(★8点)

発売当時から気になっていたんで、買ってみた。

思えば昨年は就職活動でしたね。結局SIer2社から内定もらいましたが、その裏で57社落ちました。

57社って... 空前の売り手市場っていうのはどこの国の話でしたっけ? 明らかに受けすぎなんですが。
そういえば、下のニュースで取り上げられていますが、今年は内定取消が問題みたいですね。ここまで景気が悪くなるとは、全く考えていませんでした。つぶれまくっている不動産業界なんて、僕が就職活動しているときにはノリノリだったのに、ミッドタウンとか。
日本綜合地所、53人内定取り消し 学生側、団交要求

こんな僕なんで、就職活動にはいろいろと思うところがあるんです。どんな話なんだろうとわくわくしながら読みすすめていきました。

早速結末から入るので、見たくない方は下のリンクを押さないように(笑)
みんな就職スムーズに決まっちゃうの!?
一人引きこもりになって就職留年するっていうのいましたけど、他のシューカツプロジェクトメンバーはみんな内定。プロジェクトメンバー第一志望のマスコミ業界に内定できなかったのはいたけど、50社落ちて6月まで就活しているような奴はいませんでした。まあ、50社落ちたりするのは僕ぐらいでしょうけど。
でも、どうせなら内定が出ないで死にそうになっている人も描いてほしかったなあ。

あと、話の後半がほとんど主人公の千晴ちゃん中心で進んじゃって、他のメンバーの就活話が見れないのもつらい。千晴の就活話だけでも読み応えあるけど。
この主人公の千晴ちゃんは、すごく共感、胸キュンできる女の子なのが読んでて楽しい。一生懸命でまじめだけど、ちょっと垢抜けてない感じがよくないですか? もしこの話がドラマ化されるのであれば上野樹里とか本仮屋ユイカあたりに演じてもらいたいです(笑)*1

就活話についてですが、共感できる部分が多い。僕もこんな就活をしていれば、と思うこともしばしば。

誰も知らないような企業にしか内定できなかったらどうしよう
僕もこの不安感じていました。特に選考がぜ始まり、それがぜんぜんうまくいかなかった3月からこの思いは強くなりました。5月に富士通の選考がいい感じに進んでいたときなんかは、うれしいと言うより、ほっとしたものです。「あぁ、これでなんとか人に顔を向けられる企業に入れそうだ」って
しかしながら、結局、誰も知らない、ていうか自分も就活前には聞いたことがなかった企業からしか内定は出ませんでした...
まぁ、でも大丈夫です。バカにしたりするような人、いませんから。「格じゃないよ」とか言ってくれる人もいます。変にプレッシャーとか感じる必要ないです。それにブランド企業が必ずしも待遇がいいとも限りませんし。

シューカツプロジェクトチーム
自分の反省点、一人で就職活動をしていたこと。これは本当につらいです。説明会とかの時期は全く問題ないけど、選考が始まると、苦しみを全て一人で抱えて日々過ごすことに耐えられなくなってきます。もっと大学院の人と就活の情報交換とかすればよかった。
引きこもりになった比呂氏を助けようとするとか、良弘の「千晴ならできる」電話とか、すごくうらやましい。


他にも書きたいことあった気がするけど、とりあえずこんな感じでいったん筆を置きます。就活経験者なら楽しく、共感しながら読めると思います。

*1:ついでに言えば、恵理子は北川景子、伸子はしずちゃん、圭は三浦春馬、比呂氏は向井理、真一郎は福士誠治、良弘は城田優