総武流山電鉄

ローカル鉄道に乗りたくなるときがある。
東京に住んでいる人が思い浮かぶ路線といえば、銚子電鉄ひたちなか海浜鉄道*1秩父鉄道とかがあるが、ちと遠い。
そんなときにおすすめしたいのが、この総武流山電鉄である。
総武流山電鉄常磐線馬橋駅から出ている。JRの改札を出て、左へ向かうとホームへ降りる階段が見えてくる。
階段を下りると、昔ながらの出札口と自動券売機が2台。自動券売機はタッチパネル式という高機能なものではない。そして、何よりも驚くべきことは、自動改札機が全くないことである。
現在、関東一円の鉄道では、SUICAPASMOというICカードが使えるのが一般的である。しかし、ここ総武流山電鉄では使えない。ローカル私鉄ゆえに投資するお金がないのだろうが、逆にそれが味を出している。

切符を買ってホームへ入る。目の前を常磐線快速列車がびゅんびゅん通過していく。線路を見ると、JRはコンクリート製の枕木を使っているのに対し、こちらは木製だ。ローカル感がさらに際立つ。
ほどなく、緑色をした車両が入線。

総武流山電鉄では、緑・オレンジ・黄色といったカラフルな電車が走っている。そして、緑色の車両には「若葉」という愛称がついている。
地元の人を乗せた電車は馬橋駅を発車。乗車率は土曜日の午後ということもあってか、3割程度。住宅街の中を走り、新松戸駅の近くにある幸谷駅に到着。次の小金城址駅では行き違い。オレンジ色の「流星」号とすれ違った。
その後列車は鰭ヶ崎、平和台と停車し、終点の流山駅に到着。流山駅は隣に検車区もあり、総武流山電鉄の中心駅となっているようだ。駅舎も渋い。

流山まで馬橋からわずか12分。運賃は190円。旅行と呼ぶには短すぎるが、日常を離れたローカル情緒を味わえる路線であることは間違いない。