反社会学の不埒な研究報告(★9点)

好きな有名人といわれたとき、僕は成海璃子パオロ・マッツァリーノと答えています。その双璧であるパオロさんの不覚にも未読だった本です。

あいかわらず愛と勇気とお笑い、そして皮肉さが効いています。読むのを止められない名作。文庫が出ていないので高いんですが、図書館*1にあるかもしれません(笑

10の短編で構成されているんですが、特におすすめは「経済学は無慈悲なお約束の女王」「こどもが嫌いなオトナのための鎮魂曲」「新作落語『長屋武士道』」
「経済学〜」はGDPについて疑問だったことをわかりやすく、面白く語ってくれて、目からうろこです。確かにGDPって私たちの生活に何も関係ないよね。「こどもが〜」もインパクト大。昔は間引きが日常的に行われていたんですって。避妊術が確立されていないんだから当然ですよね。「長屋武士道」もすごい。武士道についてばったばったと斬っています。ギター侍を武士道ブームに組み込んでしまうあたりがパオロさんの真骨頂ではなかろうか。

ただ面白いだけでなく、綿密な調査と愛情があるからこそ、ここまでおもしろい。しかし、相変わらずプロフィールが謎なので−1です

*1:大学の図書館で借りた