カクレカラクリ(★8点)

カクレカラクリ?An Automaton in Long Sleep

カクレカラクリ?An Automaton in Long Sleep

実は森博嗣氏の作品はあまり読んだことがない。鉄ヲタという共通点があるので、僕とは気が合いそうな気もするんだけど。

去年ドラマ化された(栗山千明とかが出てた)作品です。

この作品のものすごく気になるところ、おそらく読んだひとの誰もが気になるんじゃないかと思うのが、やたらコーラが出てくること。特に玲奈ちゃんていう女子高生の子は飲みすぎ。体に悪いぞ。
なんでこんなことになっているかというと、コカ・コーラの120周年を記念して書き下ろされたから*1。なんだそれ。コーラが飲みたくなります。

工学部の男(郡司と栗城)と女(真知花梨)、それとその妹の玲奈、物象部の同級生の山添太一がカクレカラクリというカラクリを探していくという話。廃止された工場、奇妙な山村、さわやかでロマンを掻き立てる状況設計がすばらしい。オタクな郡司と栗城のキャラクターや元気な玲奈、花梨のミステリアスなところ、太一の引っ込み思案気味なキャラクターにも共感できる。特に郡司と栗城。それはやはり僕が鉄ヲタで土木や建築にも興味があるからだろうか。
こういった人たちと一緒に冒険をしてみたいと思う。鈴鳴に行きたいな。

ただ、地図のような冒険心を掻き立てるアイテムがないのが作品に書いてないのが残念。あまりにビジュアル化されてしまうと想像のし甲斐がなくなり残念だけど、作品に入りやすくする工夫をしてもいいんじゃないかと思った。というわけで、昨年のドラマを見られなかったのが残念に思えたのでした。

*1:コカ・コーラ1886年アトランタでジョンS.ペンバートンの手で開発されたらしい