ヴェスナ・エスタ・ホリシア
3日間ほど関西に出かけていたので、更新が久々になりました。
- 作者: 宮部みゆき
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2006/05/24
- メディア: 文庫
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読んだのは文庫版じゃなくて通常のやつ。電話帳みたいなやつが2冊もあって、全部読みきれるか不安になったけど、おもしろくてそんな心配は無用だった。
さすがに無類のテレビゲーム好きである宮部みゆき。運命の塔でワタルが過去の自分を見ているところなんてマザー2のマジカントじゃないのかって思ったよ。それでなくても、ロールプレイングゲームの世界、景観が見事に描き出されている。まるで自分がプレイしているかのような気分になる。
ただ、ファンタジックすぎるとかそういう気にはならなかった。それはやはりワタルの内面の描き出し方がすばらしかったからだろう。自分で運命を作っていくと決めたときなんかは本当に感動した。自分がワタルになったかのような気さえしたよ。ミツルとのやり取りでは僕(おーたっち)の心の中も騒ぎ、ミツルにもっと言ってやれ、と思いつつも、ミツルの言うことも正論だよなとも思った。
弱いけど優しく、友情を大切にし、自分のことだけを考えられない、そんなワタルに自分を重ね合わせてしまったのでした。
ドラゴンのジョゾがワタルを命の恩人と慕い、北の国へ行くことを願うところ、傲慢なミツルをワタルが命の恩人と思っているところは、正直今の自分には分からないものだった。命の恩人って何なんだろう。死というものをリアルに感じることの少ない現代の日本ではわからないのかな。ただ、ジョゾの危険を顧みずにワタルについていきたいと言った思いは一途で美しかった。
ここだけではなく、ワタル、ミーナ、キ・キーマの3人をつなぐ「仲間」という思いが本当に美しく、うらやましかった。
読み終わってRPGがやりたくなった(笑 マザー3まだクリアしていないな(爆