フェルマーの最終定理

サイモン・シン先生の御本。
今までにもフェルマーの最終定理に関する本は読んだことがあったけど*1、この本は証明を行ったワイルズ以外の関係者についても多くの文章があてられていて、よくわかる。

フェルマーの最終定理 (新潮文庫)

フェルマーの最終定理 (新潮文庫)

ガロアの決闘の話なんて聞いたことはあったけど、彼が共和主義に燃えていたなんて全然知らなかった。あふれ出る才能を操れない激情、破滅的で美しい。
谷山・志村とか女性数学者とかあまり表舞台に出てこない人の話もよかった。

暗号解読に比べ、数学の専門的な話が多いのは否めず、取っつきやすさでは劣る。でも、これも人類の謎に挑んだ多くの数学者がドラマティックに描かれていて、実に面白い。モジュラーとか楕円曲線とかわからなくても大丈夫。

何か謎に迫るような仕事を自分もしてみたいが...

*1:「天才数学者たちが挑んだ最大の難問―フェルマーの最終定理が解けるまで」とか