東洋経済「鉄道革命」

普段は東洋経済を読まないんだけど、買ってしまった。
鉄道ブームがここ数年言われています。ですが、鉄道をビジネスとして捉えたものはほとんどないのが現状です。鉄道関係の本といえば、鉄道ファン向けのもの*1か、青春18きっぷで旅を楽しもうという趣向のものか、雑学系かといった状況で、趣味的なものに偏っています。大きな書店や大学生協の土木や都市工学関係のコーナーに行くと、公共交通について書いた書籍がありますが、ちょっと敷居高いよね。それに、そういった本でも商社やメーカの鉄道ビジネスについては紹介がされていない。

というわけで、鉄道を包括的にとらえたこの東洋経済の特集は画期的。なんと81ページぶち抜き!

シベリア鉄道の貨物輸送やスイスのBahn2000プロジェクトとか、全く知らなかったトピックも多くて、読んでいて非常に面白かった。鉄道ビッグスリーアルストムのことも知れたし。
言い古された感のある路面電車LRTについてもカバー。京都の今出川通りでLRTの実験をやっていたなんて知らなかった。

鉄道ファンの私ですが、ここまで鉄道が可能性と奥行きを有していたとは考えたこともなかったです。鉄道ビジネスはこれから来る。そんな気分になりました。といっても、日本では先月に島原鉄道島原外港加津佐三木鉄道の全線が廃止になっています。鉄道先進国として、ソフト面でも有効なスキームを提起できるようにならねば。

非常に読み応えがあるので、鉄道に少しでも興味があるなら読んだほうがいいですよ。たぶん今でも本屋に置いてあるはず。

*1:「鉄道ファン」「鉄道ピクトリアル」とか