馬場俊英「青春映画が好きだった」(★9点)

最近、朝日新聞とか「僕らの音楽」などメディアへの露出が増えてきた馬場さん。売り上げも上昇基調にあり、いい感じですよ。
この作品もオリコン初登場15位(12608枚)と、前作「人生という名の列車」と比べると初動売り上げ倍増です*1

盤のタイトルは「青春映画が好きだった」。青春映画、馬場さんの作品全てに当てはまるものです。センチメンタリズムとポジティブシンキングに満ちた馬場節はもちろん今回の作品でも健在。

ただ、今回は前作に比べると少々小粒感が否めない... 作品はぜんぜん悪くないんだけど、前作がすごすぎたからなあ。「ボーイズ・オン・ザ・ラン」とか「一瞬のトワイライト」といった先行シングルが神曲ばかりだった。「ボーイズ・オン・ザ・ラン」の突き抜けた爽快感には一瞬でやられましたからね。今回の先行シングルはちょっとそれらに比べるとやはり弱い。

だからといって、今作がダメじゃわけではない。むしろじっくりと聞かせてくれる曲という意味ではこちらのほうが優れている。語りかけるように歌っているんで、ライブ感が強い。そんな雰囲気を強く持っているのが「多摩川土手〜君へのメッセージ」「小さな頃のように」「明日へのフリーウェイ」。
人間の青春に終わりなんてないことを感じる「草野球」 こういう曲を聴くとこれからの人生、どんなことがあるかわからないけど、決して捨てたものじゃないよなと思う。

あと、先行シングル勢では相変わらず「ただ君を待つ」の歌詞の意味がわかりません。強さを求めないこういう男性像は好きなんですが、いったいどういう状況なのか、君はいったいどうしてしまったんだというのがまだわからないorz 詳しくは聴いてください(笑
「働楽〜ドウラク」はシングルのチェックをしないで*2、ここまで来てしまったんですが、やっぱりいいですね。Bメロ、サビの軽快な流れは今までの馬場節ではなかった感じ。詞では、”失うものなんてロクにないくせに”という部分が好きなのですが、はっきりいって天才的な構成です。ガスの元栓が気になるほど石橋叩きすぎる君に”心の炎まで消してしまうなよ”って! ダンディズムとユーモアのシナジーに乾杯だ

全体としては、前作と比べると...という部分はありますが、名盤は名盤。ぜひぜひ聴いて

おすすめ曲

  • 多摩川土手〜君へのメッセージ」
  • 「草野球」
  • 「明日へのフリーウェイ」

*1:「人生という名の列車」は6126枚

*2:就職活動に追われて