西南シルクロードは密林に消える

西南シルクロードは密林に消える (講談社文庫)

西南シルクロードは密林に消える (講談社文庫)

成都コルカタを陸路で行くという奇想天外なお話。
まず、外国人には越えられない中国とミャンマーの国境をゲリラに頼って越えるというので驚き。しかも高野さん、ミャンマーのゲリラに知り合いがいるというのがすごい。なんでも昔はミャンマーでアヘンの栽培をしていたとか。そのときの本もあるようなので、読んでみたい。

さらにゲリラを頼ってミャンマー北部(日本人がまず行くところのない場所だ...)を通行。途中中国の官憲に捕まるという事態をミラクルで打開したり、道無き道を歩いたりとしながらインド国境まで行くというすごさ。高野さんはこの旅に出る前は家で引きこもっていたようだけど、そんなのが嘘みたいなエネルギー。もう感嘆の言葉しか出ない。

ゲリラの人たちの描写もリアル。ゲリラというと危険人物のように思えるが、そうじゃない素の姿に迫っている。特に面白いのがカチンのエピキュリ大佐。酒を飲む、アヘンを吸うという快楽主義者ながら、生き別れの息子を追っているという父親。どんな環境でも、面白い人間はいるんだなあ。

いつかこんな旅をしてみたい。とりあえず、5月のゴールデンウィークにはラオスルアンパバーンに行きます。