一瞬の風になれ(★9点)
- 作者: 佐藤多佳子
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2007/05/24
- メディア: 単行本
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超正統派の青春小説。熱い友情も苦い挫折も甘酸っぱい恋心も輝かしい栄光もみんなぎっしりです。読んでいて僕も走りたくなった。足遅いんでスプリントより長距離派だけど。
3冊にも及ぶ(この手の作品でこんな長いのありましたっけ?)長い作品ですが、随所に読者を引き込む仕掛けがあるんで読んでいてつらいとか思うことはなく、ぐいぐい読めます。いろいろとスポットはありますが、個人的に一番きゅんきゅん(何言っているんだ)したのは谷口若菜ちゃんのこのせりふ
あんな大きな才能のある人*1に届こうとしてる。
いつも前を向いて、上を見て、一生懸命やってる。あきらめたりしない。
可能性……って言ってくれたよね、私に。
長距離の練習がどんなにきつくても、神谷君のその言葉思い出して頑張れるんだよ。
思い出しただけでもきゅんきゅんしますね。前を向くとか、一生懸命とか、そんな言葉が遠いものとなりつつあるついこのごろの僕ですが、こういう気持ちに飢えているのかな。とりあえず今目の前にあるものはしっかりやろう。
本屋大賞受賞作品は全て映画化されているみたいなんで、この作品も映画化されるでしょうが*2、若菜を誰にするかで映画の質ががらりと変わるでしょうね。
あと、この作品の舞台は神奈川県の相模原一帯、小田急沿線なんですが、いつからこんなに小田急沿線が熱くなったんだろうか。読んでいるとき、頭の中に「青春ライン」とか同じ小田急沿線出身のいきものがかりの曲が流れていました。映画化されるときはいきものがかりの曲を使ってほしいなと思った